京都パノラマ百景

著 竹田武史

禅フォトギャラリー(2025年4月発刊)

25×1×12.5cm/118ページ

竹田が生まれ育った京都の町を、パノラマカメラで撮り下ろしたモノクロ作品100景を収めた写真集です。

国内はもとより世界中の人々を魅了してやまない京都ですが、写真作品としてのモティーフと形式を見い出すまでにはそれなりの時間の経過が必要でした。写真を始めた二十歳の頃には世界中を旅することばかり夢見ていました。やがて自身のルーツを求める中国、アジアへの旅がより深い視点を与えてくれることになります。三十年近くに渡る写真の旅を通して、まるで合わせ鏡のように映し合う「世界」と「自己」との関係性について一歩、一歩と学びを深めながら、ようやくその答えに手が届きそうなところまで辿り着くことができたと感じています。そんな今だからこそ、「ふるさと」のありのままの姿と向き合うことができたのかもしれません。

ふるさとに、小さな手を引いてくれた祖父母の姿はすでになく、はつらつと暮らしていた両親も今ではすっかり年老いました。

あの頃、竹田の目に映る京都の町は、いつも、山や空と融け合うパノラマの風景とともにありました。

 

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長江六千三百公里をゆく